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取引費用ってなんだろう?

電車に乗ってアキバへ買い物をしに行く。その際にかかる運賃などは、別に取引費用とは言わない。言うっちゃ言うけど。

取引費用をモデルに反映することができない経済学 – 酔狂人の異説

価格や他の取引条件が同一の時に近い店で買おうとする。そういったごく当たり前の選択を経済学のモデルにも反映させるべきだと言いたいだけである。ところが、経済学の均衡モデルは、同じ商品*1を無差別的に選択することを前提にしている。そのため、取引相手との距離で取引相手を選択するといった、ごく当たり前の条件を追加しただけでも、モデルが成り立たなくなる。

むしろ、取引相手との距離なんてものをモデルに組み込むのは至極簡単で、価格に含めて考えればよいだけだ。取引相手との距離は計れるもので、取り組みやすい。「選択を経済学のモデルにも反映させるべき」っていうのには異論はない。ぜひ自分の手で反映させてほしい。別にむずかしくはないし、すでにさまざまな業績がある。

むしろ、問題は定量でないものだ。

取引費用とは、経済学的には以下のようなことを想定している。

①情報を得るための費用
そもそも、取引のためには情報を得ているのが前提だ。実際はコレが結構難しい。買った後にあっちの方が安かったとか、これよりあれを買う方がよかったとか後悔することは多いし、そもそも知らないモノを買うことはできない。

②交渉や意思決定にかかわる費用
大阪人は「相手が提示する価格」そのままでは買わない。真の「価格」は値切り交渉によって得られることを長い歴史から知っているからだ。面倒だから目についたものを買う人もいれば、5件ぐらいめぐって安いところを探す人もいる。アキバへの運賃もここに含まれるかもしれない。

③契約を締結し、双方にそれを守らせるための費用
不良品だったらどうやってフォローしてくれるのだろうか。分割払いにしたとして、ちゃんと支払われるのだろうか。

別の視点で見るならば—

①明示的なルールに従うために必要な費用
消費税やたばこ税、酒税など、法律や明示的なルールに基づきかけられる料金。席に着くだけで取られるチャージ料なんかは、それがない取引と比べて消費行動に何らかの影響を与えるかもね。モデルに組み込むのはそんなに難しくない。

②暗黙的なルールに伴う費用
文化・風習など、明文化されてないルールに従う時に発生する費用。「非関税障壁」などはその最たるものかも。

③ルール自体を守らせるために必要な費用
ルールを破ったら罰せられるべきだ。ルールを運用するにはそれなりのコストが必要。

あらかたはこんなもんだと思う。1番目と2番目の③は意味的には一緒かな。

こういうのに挑戦している経済学の一派は制度学派って呼ばれている。古くはコース、ヴェブレン、新しくは進化ゲーム理論を取り入れた新制度学派なんかが有名だと思う。ので、興味があるならそっちを参照してほしい。

完全競争理論なんて経済学のほんの一部分にすぎない。現実を分析する一つのツールにすぎない。

かといって、学部1回生が学ぶ完全競争に基づく理論が無意味とも思わない。そっちはそっちで歴史があるし、十分煮詰められている。今度、時間があれば ニュートン力学のサルマネをしてしまった経済学 – 酔狂人の異説 に反論してみようと思う。簡単にいえば「摩擦は後回しで考えてもいい」わけでは決してないこと、そして「モデル化という分析手法」について書こうかなと思う。

みんな「経済」の中で生きてるから、それぞれいっぱしの「経済」のエキスパートなんだけど、「経済学」に関してはそうではないよね…。初歩的用語に関しては、中学校ぐらいの必修科目にしてほしいんだが。

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