ストリートビューはすげぇ。
でも、一方でそれをひどく嫌う人もいる。僕はそれがあまり理解できなかったが、Googleストリートビューについて – good2nd を読んでなるほど、と思った。それでもあえて反対な見方を考えてみた。
1. ストリートビューは監視を目的とはしていない
あれがリアルタイムの動画だったとしたらどうでしょうか?…自宅の前の公道にカメラを設置して何日間も撮影されたとしたらどうでしょうか
「公道でもプライバシーはある」という話題で挙げられている悪用の例。 確かにそんなことされたら困る。ストーキングされているようなもんだ。
でも、ストリートビューは別に監視を目的とはしていない。監視目的に使用するにしても非力すぎる。監視・ストーキングを目的とするなら、もっと効率のいい方法はいくらでもある。自分で盗聴器や盗撮カメラを仕込むとか。
この類の意見としては、こういうのもある。
小林ゆきBIKE.blog: 【警告】グーグルストリートビューに今すぐ削除依頼を!!!
こんなの、盗人の手助けしているだけじゃないか。
泥棒に用いるにしても難しいのではないだろうか。半年前に撮られた画像をもとに、泥棒するのだろうか。犯罪者はすんごく頭がいい(or 絶望的に頭が悪い)ので、なにか斬新な利用法を思いつくかもしれないが、たぶん独自でなにかシステムを作った方がよっぽど簡単ではないだろうか。
なんとかすれば犯罪に使えるかもしれないけど、「~~に使えるから良くない」と言い出せば、何でも禁止できる。
2. 何もかも見える仕組みだけど、実際は何もかもを見ることはできない
基本的にあらゆる道を360度撮影したという画像は、ある都市を全面的、包括的に記録しようとするものです。自宅前の定点カメラが問題と感じられるのは、それによる記録なり監視なりが「時間的に連続・継続している」ことに起因すると思いますが、ストリートビューはそれを空間的に展開したもの、とイメージすることができるのではないでしょうか。
そしてこれが、一枚の風景写真と決定的に違う点です。ストリートビューの画像は連続しており、ある都市の全体を包括的に捉えたものです。それぞれの画像には時間的な持続はありませんが、広域な空間を覆いつくすものです。いわば「逃げ場がない」のです。
一番理解できないのがこの点だ。いったい何から逃げるつもりなのだろう。たまに、見えない敵と戦っている人を見かけるけど、その類なんだろうか。
だいたい、こんなに詳細なデータを提供してもらっても、見る側の人間が処理できるデータ量はたかが知れている。近所をストリートビューで散策したとして、きっとそれは全データの0.001%も消費してないに違いない。
ストリートビューは町を丸裸にするけど、僕たちはその裸を堪能しつくことなんかできない。多すぎるデータは、逆に存在が希薄化される。そんなに神経過敏になることはないと思うがどうだろうか。
3. 見られるのってそんなにイヤ?
私達は「こんな所で人に見られたりしないだろう」あるいは「ちょっとくらい見られてもいいか」くらいの意識で公道で何かしていることは少なくありません。ストリートビューは、この「ちょっと見られちゃった」が「世界中の誰かに、持続的に見られる可能性がある」に変わることを意味しています。どこにいてもその可能性がある、という世界です。何かの拍子に「話題のストリートビューまとめ」とか何とかで晒し者になってしまう可能性に怯えて暮らすのは嫌です
仮にストリートビューで見られていなくても、一度外へ出れば守らなきゃいけないルールがある。ストリートビューで晒されるからいや、というのは基本的に理解できない。ここら辺は宗教のない日本のダメなところだと思う。
カントだったか誰だかは、「神さまは存在しないかもしれない。でも、存在することは要請される」と言ったらしい。神さまがいて、悪いことをしたら地獄で裁いてくれるのは、社会秩序のためには大切なことだ。そして、自分自身を律するためにも。だから、存在しなくても必要なもので、必然的に求められるものだ。
かといって、僕は宗教を信じるつもりはないが…ストリートビューが勝手に「神」をやってくれるならそれもありかもねと思う。ちゃんと削除要請をすれば消してくれる良心的な「神」さまだ。
また、住居の外観が見られてしまうという不安もあるらしい。
住所がわかれば住居の外観を誰にでも見られてしまう可能性がある、というのはある人々にとってはかなり不安をもたらすものです。「ヤフオクで買い物したらウチが見られるってことか」というコメントを見かけましたが、そういうことでしょう。もちろん、住所さえわかれば、その地点まで行くことは従来から誰にでもできたことです。しかし、この比較は、例えば「本のコピーなんて手書きでもできるに、デジタルだけ問題にするのはおかしい」というのに似ています。つまりこれまではコストや時間がかかりすぎるという制約により(不完全ながら実質的に意味がある程度には)守られていたものから、その制約が取り払われてしまうことに対する不安です。
基本的に売り手の立場でしか意見が語られていない。
買い手側からすれば売り手のことは少しでも良く知りたい。なぜなら、売り手の方が取引に関する情報量で、買い手を圧倒しているからだ。商品も、顔も、人柄も全く知らずに取引するのは不安だ。ストリートビューで家の外観を見られる売り手の不安なんて屁でもないぐらい不安だ。
まぁ、これは極論だけど。
だいたい、ヤフオクって住所も番地まで晒すのか…?名前と住所をセットで入手して、ピンポイントでストリートビューで閲覧されるリスクってそんなに大きいだろうか。
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とはいえ、ストリートビューを100%肯定するわけでもない。
情報収集している車に関する情報は、もっと公開するべきかもしれない。事前チェックをもう少し入念にして、ラブホに突入するカップルや立ち小便するおっさんなんかは事前に削除できないだろうか。犯罪に使われたら、早急に対策を打ってくれるのだろうか…
そして、ストリートビュー単体の問題以上に、他の問題との関係にも注視すべきだともおもう。たとえば、ウラで個人情報が売買されており、野放し状態なのはよく聞く話だ。また、僕たち自身もショップのポイントカードをほいほい作って個人情報を世間にばらまいている。そうやって入手された個人情報とストリートビューが組み合わされれば…
技術の良し悪しは使う人の問題だけど、確かにストリートビューは強力すぎるきらいはある。ストリートビュー反対派は、そういう「強力さ」に対する感受性が強いのだろう。願わくば、うまく運用されて、みんなにとって有用なツールになってほしいなと思う。
ま、サービスは始まったばかりだし、生暖かく見守ってあげようよ!っていうのが僕の意見です。
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PS: ただ、Googleが暴走したら…とはちょっと思うな。
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