「どんなに悪しき結果に終わったことでさえ、そのきっかけは善意から生まれたものであった」といったのは誰だったか。昔、塩野七生さんの本で読んだ記憶があるので、マキャベリかカエサルあたりだと思うんだけど。
最近思うんだけど、当初の思惑とは異なる利用法をされ、トラブルや2次被害が生じるのを見るにつけ、どうやったら防げるんだろうと思ってしまう。
オンラインストア「Amazon.co.jp」において、ユーザーが欲しい商品をリスト化する「ほしい物リスト」から複数の個人情報を閲覧できることが話題になっている。
いささか旧聞になるけど、この出来事なんか典型的だ。
Amazonのウィッシュリストを主に「読んだもの」リストとして活用していた人が、個人的な趣味・性癖を暴露されてしまい話題になった。購入したエロ本・エロゲーを登録していた人もいるらしい。
そもそもウィッシュリストとは「プレゼントくれるなら、こんなのが欲しいな♪」というのをリストアップしておく機能なので、他人から見えるのはある意味当たり前だ。知り合いが見て、「これが欲しいのか。誕生日プレゼントに買ってあげようかな?」と判断する材料になるのだから。
しかし、日本には自分の欲しいものをリストアップしてさらしておくという、厚かましい風習はなかったので、全く使われない機能でもあった。そこで、それを「読んだものリスト」として活用するライフハック(爆笑)が結構行われていたのは事実。
読書好きな人なら、これまで何度かは「自分の持っている本、読んだ本を一覧できるようにしよう」と思ったことがあるはずだ。一昔前なら、「じゃあデータベースソフトで」「Excelを使って」となったわけだが、今なら、すごく簡単に立派な蔵書録を作ることができる。
その方法とは、Amazon.co.jpの「ウイッシュリスト」を使うものだ。ウイッシュリストは、もともと自分が欲しい商品を登録しておいて公開し、友人たちがこれを参考にプレゼントを贈るというもの。しかし、日本では“Amazonのウイッシュリストからプレゼントした”という話はついぞ聞いたことがない。でもせっかくある機能なら、当初の用途と違っても活用してしまえばいいのだ。
このライフハックを実践して被害にあった人も多かろうと思うが、今だに何のフォローもない。
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なんで今更こんなことを思い出したのかというと、リーマンの破綻とか、図書館にルンペンが屯して困っているとか、Facebookで微妙な理由でユーザーがアカウントはく奪されたりするのを聞いたからだ。
サブプライムローンの債権化はそもそもリスク分散のためだったはずが、いつの間にか本質を見失って投機の対象になったしまった。
図書館はそもそもホームレスの家では決してない。
Facebook曰く、自分たちのサービスは最初の目的はリアル知人がネットでも連絡を取りやすくするようにするものであって、ネット友達を増やす道具ではない。違法な利用はアカウント削除の理由になりうる。
当初の目的から外れた利用をされるようになったシステムは、
・それを認めて取り込んでいく
・それを拒否して規制する
の2択を迫られるわけだけど、どちらにも便益を享受するプレイヤーがいるので諍いになってしまう。だいたい、「そもそも…だった」を根拠に拒否すればいいってもんじゃないのが難しい。「そもそも」を上塗りしていけば、議論がとめどなく斜め上に行ってしまうからだ。
・そもそもリスク分散が目的のはず→そもそも商品を買う動機はなんでもいいはず
・そもそも図書館はルンペンの家じゃない→そもそも図書館は公共物だから、人によって入館を拒否できない
・そもそもの用途に外れる→(あ、これは思いつかん…ま、なんかあるだろ)
認めてしまえば、それはそれで問題が多い。どうしたものか。
とりあえず、僕個人としては「このシステムのそもそもの目的は?」を時折問い返しながら、足を踏み外さないようにして歩くしかない。
PS: そもそもなんのために生きてるんだ?
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