- 2009-03-18 (水) 0:47
- Review
自分で[もう一度読む]タグをつけておきたい。
筆者は経済学者。よって内容も、実は経済学。特に4、5章は実質的に厚生経済学や期待効用理論の話で、「数学を日常に生かす」というサブタイにだまされた人にとっては、意味不明な内容かもしれない。
感想を一言で言うなら、「大学生の頃に読んでおきたかった…」。もやもやしていたアタマの中がスッキリと整理された気分。リスクと不確実性の違い、頻度主義とベイズ理論。正直に言ってしまうけど、わしはあまり分かってなかったと思った。聞いたことある単語ばかりなのに、悔しい。エルスバーグ・パラドックスに至っては、聞いたことすらなかった。情けないばかり。"ナイトの意味での不確実性"という言葉を聞き流しているような人は、本書を読むべきだ。
ただ、悔し紛れに言うわけではないが、筆者の「自己責任論」に対する考えやロールズ賛美には同意できなかった。なぜロールズの議論がMax-Minを採るのかは、逆に筆者のおかげでよく理解できたけど。
「自己責任」の本当の意義は、多様性を生むことだと思う。"ナイトの意味での不確実性"に直面したとき、多くの人はMax-Min戦略(損が最小になる戦略)を望むだろう。けれど、そこで安定した戦略を取らずに思いもよらない戦略をとる人がいてこそ、状況を打破できるのではないだろうか。その果実をズルいと批難してしまうのが、今の日本だと感じる。安全な戦略なんて知りえない以上、それを社会が指示してしまうのは危険だ。「自己責任」の裁量が大きいほど、集団は全滅の危機を低減することができると思う。
とはいえ、最終章の「確率の時制」問題は理解しきってない。だから、この意見は変わるかもしれない。もっと考えて、確率の本質を捉えられたら、また一歩先に進める気はする。すくなくとも、本書を読んでリバタリアンではダメだというのはわかった。うまくは説明できんが…ま、いつか言葉で表現できるでしょう。
確率って強力だなぁ…そして、やっぱ難しいわ。
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Byasi


