- 2009-06-16 (火) 23:10
- Review
高校か中学のころかな、中公文庫版を読んだ記憶があり。今回新潮文庫で出たのを気にもう一回買って読んでみた。やっぱりおもしろい。3日間の往復通勤時間だけ、で3巻まで一気に読んでしまった。
ヴェネツィアほど"善き"共和制が長期に渡って維持された例はないのではないだろうか。その長さときたら…西ローマの滅亡と若きナポレオン、その両方を目の当たりにした国といえば実感がわくだろうか?しかもそれが、偉大な英雄、優れた宰相を輩出したおかげではなく、ごく一般的な人々と彼らが支えるシステムに寄るものだというのだから驚く。何10世代にもわたって、理想的な規範を維持し続けたのだ。その根本には、正義も理想もイデオロギーもない。ただ、経済合理性、リアリズムだけがあった。
『ローマ人の物語』のポエニ戦争のくだりや、ガリア戦記なんかとは違って、この本にはほとんど血沸き肉躍るシーンがない(※しいて言えば、第4次十字軍と、ジェノヴァとの死闘のあたりかな)。でも、この本はとっても好きだった。クレタ防衛戦からのくだりも好き(4巻以降に期待してね!)。
全6巻でまだ3巻までしか出ていない。けれど、新潮で出たことで目に触れることも多くなったんじゃないかなぁ。中公じゃ、置いてる店すら限られるし…。しょーじきなところ、塩野さんの文章はあまり好きじゃないけれど、ネタのチョイスには全幅の信頼を置いている。今度は何を書いてくれるのかな?
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著者の作品の中で一番おもしろい作品は、『コンスタンティノープルの陥落』。
全作品中で一番好きな人物は、ダントツでヴェスパシアヌス帝だ。死期を悟って「かわいそうな俺、神になるんだろうな…」とつぶやくあのキャラがいとおしい。(ローマ皇帝は死ぬと神様になる)
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