- 2009-07-01 (水) 23:40
- Review
途中「うげー」となる部分もあったけど、全体的な論旨としてはとてもシンプルでつい納得させられてしまう。
けれど、新古典派経済学の解釈はナタで割ったように大雑把。多くの学者さまが反発するんではないかなーと心配させられる部分もある。その割には、「完全雇用が達成されている場合は新古典派理論で万事おっけー」的な部分もあり、それでええんかいなーと思ってしまう。けれど、それもこれも、論理をスッキリ通すための方便的に読んでおけばいいんだろうね。
前半はケインズの『一般理論』の検証になっており、その先進性を称えつつも、消費関数の仮定(⇒ 消費需要を軽視し、もっぱら投資需要を論じる)と、それに伴う"乗数効果"理論には徹底的な批判を加えている。
C = aY + b (C: 消費;Y: 所得;a: 限界消費性向;b: 基礎消費)
結局、ケインズ理論は"消費は所得に依存する"という消費関数を仮定したがゆえに、名目価格に幻惑されたり、不完全な情報しか持ち得なかったりするがゆえに引き起こされる価格の硬直性を取り入れた、単なる新古典派理論の亜流とみなされ、飲み込まれてしまった。
後半はケインズの論を借りながら、ケインズ自身が踏み込めなかった"消費需要"の概念の検討を行っている。そして、そこから"消費の利子"の概念を導き出し、それが不況時に果たす役割を分かりやすく図解している。
・流動性プレミアム: 消費と比べた相対的な流動性選好の強さ
(≒貨幣保有と消費の限界代替率)
・"消費の利子率": 時間選好に基づいた消費の先延ばしコスト。
経済全体の生産力があまりに高ければ、完全雇用下では消費の利子率を流動性プレミアムが大幅に上回ってしまう(≒消費するより貨幣を蓄積する)。そこで人々は、貨幣保持と消費による効用が一致する点Aまで消費を減らす。すると、不況利子率と均衡需要量が決まり、需要が大きく不足する。
まぁ、それ以降の議論はまたエントリーを改めて。なんか疲れた。
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[メモ]
・あらゆる商品は貨幣性(需要されるがゆえに価値を持つ≒流動性プレミアム)を帯びうる。とすれば、貨幣のインフレ率を向上させても、貨幣以外の商品へマネーが逃げて、貨幣性を帯びうるのではないかな。土地バブルとか、特定銘柄のカブバブルとか。
・なぜ貨幣のみが「命がけの跳躍」をなしうるのだろう。マルクスは確か、その原因を交換価値(≒貨幣で測られる価値、社会的に通用する交換比率)と使用価値(実際に使ったときに得られる効用)に求めていたが、それよりも手にした商品が次に「命がけの跳躍」を果たせるかどうかが、その商品の跳躍力を決めているようにも思う。
・貨幣は、交換ネットワークにおいて、交換比率情報処理のハブとして機能している。n個の商品を持つ二人のヒトが交換をする場合、n ^ 2 – n ≒ n ( n – 1 ) だけ交換比率が存在しえるが、1つの商品が価値基準のハブとなれば、必要な交換比率の数は 2n で済む。
・よう分からん。
自己利子率 = 収益率 - 持ち越し費用 + 流動性プレミアム
貨幣利子率 = 名目利子率 - インフレ率 + 流動性プレミアム ……?
勉強、勉強だね。いろいろ難しいわ……
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