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ジニ係数を取り巻く議論

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けさの記事では「分配の公平は効率とは独立の問題だ」と書いたので、所得分配についても簡単に補足しておこう。これは最近、多くの論争が行なわれたテーマだが、おおむねOECDの分析の通りだろう。すなわち

* 日本の所得格差(ジニ係数)は図のようにOECD諸国の平均よりやや高い程度で、最近は低下している。
* 市場所得の貧困率はOECD諸国の平均より低いが、所得再分配後の貧困率は第4位である。
* 特に若年層や非正規労働者の貧困率が高まっていることは懸念すべき現象だ。

所得格差は拡大しているか – 池田信夫 blog

それに対するカウンターエントリーが、こちら。

池田先生は、"日本の所得格差(ジニ係数)は図のようにOECD諸国の平均よりやや高い程度で、最近は低下している。"とおっしゃっているようですが、厚労省の所得再配分調査によれば、2005年調査分のジニ係数は再分配前で0.5263、再分配後で0.3873であって、いずれも2000年調査より上昇しています。

la_causette: 日本のジニ係数は、mid-2000でも上昇している。

後半の内容はタダの難癖(※)なので割愛するけれども、確かにOECDの出す数字とは違っている。

[※残念だけど、お金をもらって/使って生きている以上、ヒトは経済的なシステムに縛られて生きるしかないですよね("社会が経済に埋め込まれた状態")。そのあたりの事実から目を背けてみても仕方がないように思います。]

以下は、政府統計の総合窓口 GL02020101 より。この数字は3年に一回出すみたい。

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小倉さんの指摘の通り、確かに違う。OECDの数字との違いは僕にはよくわかりませんが、まぁ、こういうのはヒト・手法によって多少のブレがあるのは仕方のない話。Wikipedia によれば、"当初所得に公的年金が含まれていないため、他の調査よりもジニ係数が高くなる"とのことで、そういう理由があるのかもしれませんね。

[強いて言えば、第3者による調査の方が信頼性は高いかもしれない。でも、統計方法について述べられてない(僕は確認できていない)ことを考えれば、信頼性はトントンなのかなぁ…]

また、この図によって論破できるのは「2005年でジニ係数は下がった」という主張のみで、他の論点については何も言及できていません。他国に比べて分配機能が機能していない、若年層・非正規雇用での貧困率が高まっている点については考える必要があります。

でもですね。

それよりも重要なのは、ジニ係数を取り巻く議論から浮かび上がってきた日本の福祉政策の問題点だと思うのですよ。

  • 日本は所得税率が低いこと
  • 労働年齢層に対する社会保障が少ないこと
  • とくに、養育に対する支援が少ないこと

OECD調査によると、「1985年以降、子供の貧困率(11→14%)は増加したが、66歳以上の人の貧困率(23→21%)は減少した」とのこと。加えて、少子高齢化の進行という不安材料も抱えており、働いている人にとっていい未来が待っているようには思えません。

— 全然関係のない話 —

個人的な意見を言わせてもらえば、(相対的な)格差拡大なんて別に問題ではない。

確かに、最低水準がこれ以上下がるのは望ましくない。しかし、それも"絶対的な"水準が下がっているのでなければ問題はない。(⇒この問題については今度考えるつもり)

今日1万円もらっていた人が8000円しかもらえなくなって格差が広がるのは問題だけど、今日100万円もらっていた人が110万円もらったことによる格差拡大なら、単に「おめでとう!」と言ってあげればいい話。

儲けられる人はどんどん儲けて格差を拡大すればよろしい。高所得者から得た税金は、低所得者の福祉にも役立てられるのだから、気持ちよく稼いでもらうにしくはない。加えて、できるなら、だれもが儲けられる人の和に一層気軽に参加できればなおよい。流動性を高めて、這い上がることも転がり落ちるのも容易な社会であるほうが望ましい。それを阻害する"因習""規範""法律""社会構造"はぶち壊してしまう方がいい。本来、そういうものは人を隔てる壁ではなく、ハシゴであり安全綱だったはずだ。

いつの時代も"階級の固定化"が、国や社会が崩壊する一要因でした。

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