- 2009-11-12 (木) 23:50
- 独り言
今は iPhone ユーザーだけど、基本的に Microsoft 好き。
(写真はこの前までの相棒X04HT
「どこが好きなの?」と聞かれると困るけれど…んー、物心ついたときからWindowsユーザーだったというのと、いろいろ渡り歩いて思ったのが カジュアルプログラマー層 に優しいところかな? よく「シェアが大きいから裾野が広い」というヒトもいるけど、アップルがシェアを取ったとしてここまでフリーなオンラインソフトというものが生まれただろうか。たらればの話だから結論は出ないけれど、おそらくそうはならなかったと思う。…ロクな開発環境がないからね。マイクロソフトは BASIC から始まった。それは意外に大きな意味を持っていると思う。
ただ、最近大きく後れを取っているのが、モバイル端末市場だ。
売り上げ自体は増えている。けれど、シェアでは大きく食われてきていて、これからもその傾向は一層先鋭になるだろう。OS が遅れている。けれどそれ以上に、マイクロソフトの心臓である「開発のサポート」という点でも後れを取っているのがイタい。
今、Windows Mobile 向けに iPhoneアプリのようなクールなソフトを制作しようと思ったら、iPhone の何倍も労力を要するだろう。試しに iPhone 用アプリの世界から身を起こしWMへも展開を始めている某社に「どちらが開発が大変ですか?」と聞いてみたが、答えに窮しているようだった。マイクロソフトの発表会で「iPhoneの方がイイです」とは言えまい。
今日、一般プレス向けに公開された Windows Mobile 6.5 はタッチ操作がウリだ。確かに、見た目はよくできていると思う。けれど実際にゲームをやれば「強めに押した方が」「爪を立てるとうまくいく」といった操作上のコツがいちいち必要になる。それは iPhone にもないわけじゃないが…それにしてもなんなんだ。小さなダイアログ、遠慮がちなメニューではなく、iPhone のように画面全体を大胆に使ったUIではダメなのだろうか。OS の奥へ行けばいくほど、そういった不満が立ち現われてくる。結局、WM 7.0 まで待たなくてはならないらしい。
けれど、光明がないわけではない。
Visual Studio 2010 に WM用の開発テンプレートが含まれていない点についてこそ回答は得られなかったが、2008 Express で WM開発ができない点は日本から本国へ改善要望を出しているという。WMの日本人開発者には質の高い人材がそろっていて、しかもなお多くのソフトがフリーで提供されているという点については十分把握しており、できればそれをサポートしたいという意思もあるようだ[1] 。この点については期待したいなぁ…と思う。
次に、マーケットプレース。
これについては誤解が多い。僕も今日までは誤解していた。「なぜフリーソフトを駆逐するような料金体系なのだろう」と。しかし、これは間違いで、むしろマーケットプレースは "実益も兼ねたタテマエ" と見るのがいい。
タテマエというのは、収益を上げる必要のある企業に対してのモノだ。審査のある・コンテンツ保護に厳しいシステムでないと保守的なソフトウェアベンダーが寄り付かない。よって、メインストリーム向けの安心できるコンテンツを多くそろえるには "タテマエ" が必要なのだ。Apple はそれにいち早く気づき、AppStore というシステムを作り上げ膨大な量の行儀のよい・聞き分けの良いソフトを集め、収益もあげている。
しかしその一方で、少しアングラなニーズというものも厳然として存在する。それはえてして自由で・刺激的でアーリーアダプターを引き寄せて止まない、少し危険な香りのするスリリングなコンテンツだ。こういったものは、AppStore というタテマエの世界では許されない。が、 iPhone でも JailBreak という手段で AppStore というタテマエをどうにかして回避しようとする層は、いつの時代も一定層いる。Android が賭けているのは、むしろこっちの"ホンネ"の世界だろう。革新的な Google にこそふさわしい。
では、マイクロソフトはどうか。
明らかに今回のマーケットプレースで、"タテマエ"を重視する姿勢を打ち出した。しかも、その審査はおそらく AppStore よりハードルが高い。
けれど、既存の「野良アプリ」を締め出したわけではない。それらは、"今まで通り"扱われる。毛並みのいい「野良アプリ」ならば、マーケットプレースに登録する意味は大きい。けれど、そうではないソフトはホンネの世界にとどまった方が結局は幸せなのだ。ソフトには、それぞれに適した棲み分けというものがある [2] 。
その結果、マイクロソフトは大手ゲームメーカーからのゲーム供給や、集英社といった著作権に五月蠅いコンテンツホルダーの協力を引き出しつつも、アーリーアダプターに対しては今まで通りわざわざ「脱獄」しなくても怪しげなアプリを使える抜け道を用意するという、いわば二股をかけた状態になった。
"タテマエ"を重視したApple
"ホンネ"に同情的な Google
二股かけた Microsoft。
マイクロソフトは今まで、なんども競合企業にリードを許してきた。Apple、Netscape、Palm…しかし、どれも数年後には息を止める寸前まで叩きのめして駆逐してきた。今度もそれに似たような展開がみられるような、そんな気が僕にはする。
—
# 記者説明会の間、ずっと iPhone で Twitter してたなう!
- 米国ではシェアウェアが比較的受け入れられている (*)
- http://giraffe.iseteki.net/ や http://www.aplio.net/ という「野良アプリ」の集会場もちゃんとある (*)
- Newer: 2009年11月12日の記事一覧
- Older: 2009年11月11日の記事一覧

