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ナビゲート!日本経済

ナビゲート!日本経済 (ちくま新書)
脇田 成
筑摩書房 ( 2010-01-10 )
ISBN: 9784480065285
おすすめ度:アマゾンおすすめ度

たまたま読む本がなかったので買った。その割にはいい本だったのではないかな。要所要所でデータが提示されるので説得力はあるし、理論的にもいい意味で穏健だと思う。

ただ、景気変動を「トレンドとサイクル」に分けて分析しろという主張(あまり突飛な主張でもない)を聞くといつも思うのだけど、それは過去に対しては可能でも、未来に対してはあまりにも難しいと思う。仮に今景気が上向いているとして、それはトレンド?サイクル?

ある程度は在庫投資の変動などを勘案して推定できるのかもしれないけれど、常に実体経済の構造は変わっているわけで、どこまでの精度で見分けられるのか。外需(種火)と内需(着火)に代表される景気サイクルのプロセスを認識するのはそれでいいとして、内需ってどうやって拡大するんだろう。結局、卵か鶏かではないのかなぁ…(筆者はどちらかというと「先に鶏の肉を少し食べさせてもらおうぜ」派なのかな)

学生の頃、クズネッツの理論とか習った覚えがあるけど、景気変動論にはいつも疑問だった。あとから見れば波に見えても、その波の要因になにか共通性はあるのだろうか。20年たてば世の中なんて様変わりして、ポケベルがケータイに、ケータイがiPhoneになるのに。これはいつかちゃんと勉強しようと思う。

あと、最後の方でいきなり"専門職の軽視と「文化大革命」"みたいな節があるなど、唐突に筆者のキモチが表に出る部分があって面食らったりもした。経済理論とそのキモチの間の論理を知りたいのだけど、そこは少し薄いかもしれない。加えていうなら、参考文献に出てくるのが著者の論文ばかりというのも気になった。

…と、少し疑いモードで読んだのだけど、色々気付かされる部分も多かったし、「ナビゲート」の役割は十全に果たした本だと思う。

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