- 2010-05-09 (日) 6:59
- Review
スーパー銭湯でゴロゴロする時に読むために、買った。あんまり期待もしておらず、なぜ買ったのかも、その場の雰囲気としか言えない。でも、これはとても面白かった。満点!
本書では100年おきに8人の皇妃が取り上げられている。なにせビザンティン帝国は、マジモンの「千年帝国」ですから!
どの皇妃もイキイキと描かれていて好感度が高い。それでいて「歴史学」から脱線して「小説」に陥らないバランスの良さは完璧。それもこれも、一人一人の人生を描くのと同時に、その時代の流れと帝国の姿をいぶり出していく「歴史学」の手法があればこそだ。
たとえばアテナイスの項では、古代の雰囲気と中世の雰囲気がうまく書き分けられていると思う。また、世界史でもカール戴冠はガッツリ教えられても、同時代を生きた東の女帝エイレーネーについては無視されることが多いはず。両方知って初めて、なんとなく当時の東西教会の関係を把握できた気がする。マルティナの項の史料批判は、ちょっとした推理モノのようで楽しい。巻末に地図がついているのも親切。
だけどやっぱり本書の魅力は、筆者の皇妃たちへの愛ですねー。ちょっと入れ込みすぎじゃない?ってところも多々あるけれど、それはそれで素敵だと思う。
ちなみに一番印象に残ったのは、フランスから嫁いだ幼いアニェス妃の運命。「ふたつの祖国を喪ったとしても、彼女は幸せな晩年を過ごしたであろうと、私は思いたい」。
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読み終えてから著者履歴をみて初めて気がついたけれど、この方の本『生き残った帝国 ビザンティン』は、中学か高校の時に購入して読んだ覚えがある(当時は新書版だったが、今は再版されていないかもしれない)。
僕は中高六年間、まじめに夏休みの宿題を完結させたことがなかった。そのツジツマあわせでレポートを書いたりしていたのだけど、いつしかのネタが旧ユーゴ情勢についてだった。そのための基礎知識として東ローマ史が知りたいなーとか思って。宿題するより、そういう方が好きだった。もう一度読んでみようかなーとか思う。
東ローマ史に興味を持ったヒトは、『生き残った帝国』か、小説だけど『コンスタンティノープルの陥落』あたりから読むといいかもしれない。冒頭にとても駆け足なビザンティン史があるし、内容も面白い。
ギボンとかも読んでみたいと思ったかも。
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