Home > Review > 中世ローマ帝国の皇妃たち。

中世ローマ帝国の皇妃たち。

スーパー銭湯でゴロゴロする時に読むために、買った。あんまり期待もしておらず、なぜ買ったのかも、その場の雰囲気としか言えない。でも、これはとても面白かった。満点!

本書では100年おきに8人の皇妃が取り上げられている。なにせビザンティン帝国は、マジモンの「千年帝国」ですから!

どの皇妃もイキイキと描かれていて好感度が高い。それでいて「歴史学」から脱線して「小説」に陥らないバランスの良さは完璧。それもこれも、一人一人の人生を描くのと同時に、その時代の流れと帝国の姿をいぶり出していく「歴史学」の手法があればこそだ。

たとえばアテナイスの項では、古代の雰囲気と中世の雰囲気がうまく書き分けられていると思う。また、世界史でもカール戴冠はガッツリ教えられても、同時代を生きた東の女帝エイレーネーについては無視されることが多いはず。両方知って初めて、なんとなく当時の東西教会の関係を把握できた気がする。マルティナの項の史料批判は、ちょっとした推理モノのようで楽しい。巻末に地図がついているのも親切。

だけどやっぱり本書の魅力は、筆者の皇妃たちへの愛ですねー。ちょっと入れ込みすぎじゃない?ってところも多々あるけれど、それはそれで素敵だと思う。

ちなみに一番印象に残ったのは、フランスから嫁いだ幼いアニェス妃の運命。「ふたつの祖国を喪ったとしても、彼女は幸せな晩年を過ごしたであろうと、私は思いたい」。

読み終えてから著者履歴をみて初めて気がついたけれど、この方の本『生き残った帝国 ビザンティン』は、中学か高校の時に購入して読んだ覚えがある(当時は新書版だったが、今は再版されていないかもしれない)。

生き残った帝国ビザンティン (講談社学術文庫 1866)
井上 浩一
講談社 ( 2008-03-10 )
ISBN: 9784061598669
おすすめ度:アマゾンおすすめ度

僕は中高六年間、まじめに夏休みの宿題を完結させたことがなかった。そのツジツマあわせでレポートを書いたりしていたのだけど、いつしかのネタが旧ユーゴ情勢についてだった。そのための基礎知識として東ローマ史が知りたいなーとか思って。宿題するより、そういう方が好きだった。もう一度読んでみようかなーとか思う。

東ローマ史に興味を持ったヒトは、『生き残った帝国』か、小説だけど『コンスタンティノープルの陥落』あたりから読むといいかもしれない。冒頭にとても駆け足なビザンティン史があるし、内容も面白い。

コンスタンティノープルの陥落 (新潮文庫)
塩野 七生
新潮社 ( 1991-04 )
ISBN: 9784101181035
おすすめ度:アマゾンおすすめ度

ギボンとかも読んでみたいと思ったかも。

blog comments powered by Disqus

Home > Review > 中世ローマ帝国の皇妃たち。

My Friend Feed

http://friendfeed.com/daruyanagi

Google Analyticator

608
 Unique Visitors 
 (1 day) 
Powered By Google Analytics

Return to page top