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消費税についての議論でちょっと気になったこと。

消費税をただ上げることには、問題がある。一時的に消費を冷え込ませること、および「逆進性」の問題だ。

消費の冷え込みは、わかりやすい。消費税は見た目の価格を引き上げるから、需要を減退させる。一方、逆進性とはいわゆる「累進課税」の逆のような意味で、貧乏人ほど負担が大きくなること。なぜかというと、貧乏人ほど食料などの"基礎的な生活"にかかるお金が所得に占める割合が大きいからだ[1] 。金持ちは使いたくなけりゃ貯金すればいいが、貧乏人は使わなければ死んでしまう…がそれには消費税が加えられる。必然的に、貧乏人の方が消費税が"相対的に"重く感じられる。消費税がとくに高齢者で不評なのは、年金で暮らす人たちがそういった問題をモロに直面するからでもある。

消費税の逆進性に対する対策として従来行われてきたのが、"段階的税率方式"とでも呼ぶ方法だ。

つまり、キャベツは5%だが、セスナには25%の消費税がかかるというように"商品に対して"税率を累進的に設定するのだ。そうすれば、消費に対する一種の「累進課税」となり、逆進性は緩和される。

この方法の問題は、あっさり言ってしまえば、面倒くさい。実際にはないが、仮にキャベツとセスナを両方扱う店があればどうだろう? 僕が店主なら、めんどうくせえ話だと思う。実際にはヨーロッパなどでは施行例があるから、やれないことはないのだろうが。

もうひとつのやり方としては、負の所得税やBIの考え方を応用した"事前補填方式"とでも呼ぶべき方法がある。

たとえば、月10万で生活している人がいたとして、消費税が0%から10%へ引き上げられるとする。生活水準を維持したければ、月に1万円収入を増やさなければならない。そこで、国が月に1万円、前もって給付してあげる。すると、その人は生活水準を維持しつつも、"実質的に"消費税が免除されているのと同じになる。

この方法の利点は、"商品にたいして"税率を累進的に設定するよりも圧倒的にシンプルであること。国民のID管理と給付体制の構築だけしてしまえば、納税者に制度上の負担はない。「子ども手当」などの制度にも応用可能だ。

また、何が"基礎的な生活"に必要な材であるか? という議論をすっとばすことができるのもよい。コメは必需だが、パンは贅沢だろうか? パンは必需だ、じゃぁ、ブリオッシュは? キリがない! 事前補填方式ならば、決めればいいのは消費税を免除する"基礎生活費"だけで、実際にその枠をどのように活用するかは本人に委ねることができる。

まぁ、でも、国民総背番号制+給付システムが先にないと絵に描いた餅なのだけど[2] 。給付の施行と消費税率引き上げを同時にやれば、税率引き上げ直後におこる消費の冷え込み問題もある程度防げる[3] と思うのだけどね。

  1. 消費性向が高い、と表現する (*)
  2. だから、この制度はとにかく早くやれっていつも思う。いろんな政策の基礎になるのに (*)
  3. 商売をやればわかるが、需給の波はやっかいだ。とくに、需要の急激な変化は黒字倒産を引き起こす (*)

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