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神聖だるやなぎ帝国

神聖ローマ帝国 (講談社現代新書 1673)
菊池 良生
講談社 ( 2003-07-19 )
ISBN: 9784061496736
おすすめ度:アマゾンおすすめ度

神聖ローマ帝国、と自らを呼んだ、そしていまだに呼んでいるこの政体はいかなる点においても神聖ではなく、ローマ的でもなく、帝国でもなかった。

ヴォルテール『歴史哲学序論 諸国民の風俗と精神について』

最近、たまに歴史の本をよむようになった。読みやすい新書ばかりだけどねw
それも、とくに高校時代にあんまり習わなかった歴史。

ってことで、今回は「神聖ローマ帝国」。きっかけは、明日アメリカへ留学する新鋭法務官僚のY氏が「最近、ウェストファリア条約の条文読んでるんだよねー面白いよねー」とか言われたけど、そのウェストファリア条約が何かすぐに思い出せなかったこと。あぁ、高校時代は歴史ヲタだったのに!

でもさ、高校の世界史って神聖ローマ帝国は結構スルーしてるよね。いいところ、オットー戴冠、"カノッサの屈辱”、イタリア政策、ハプスブルグ家、カール1世、オランダ独立戦争、シュヴァーベン戦争、宗教戦争、ドイツ農民戦争、三十年戦争、マリア=テレジア程度の単語を習う程度じゃないだろうか。もしかしたら、バルバロッサとかシュマルカルデンとかホーエンツォレルンとかいう言葉も聞いたことがあるかもしれない。とにかく、「で、神聖ローマ帝国ってなんなのさ!」という視点ではあまり習わなかったと思う。

本書は、そういう「高校の世界史」が欠けている部分を補ってくれる好著(僕にとってはね!)。なぜ「神聖」なのか、なぜ「ローマ」なのかを中心に、帝国の盛衰を説く。

  • 11世紀まで – ローマ帝国(または単に帝国
  • 12世紀 – 神聖帝国
  • 13世紀 – 神聖ローマ帝国
  • 16世紀 – ドイツ国民の神聖ローマ帝国

「ローマ」(当初は「≒帝国」)を受け継ぎ、「神聖」(キリスト教的権威)を取り込み、しかし独立戦争と宗教戦争で断ち切られ、残り物が「ドイツ」になっていく。それが「神聖ローマ帝国」の歴史だったようだ。

よく考えれば、ローマ(古代)的なものと中世キリスト教(神聖)的なものは相容れない。それでも、ゲルマン民族の合議主義をつなげるには、なんらかの既存の権威に頼るしかなかった。つまり、そんな既存の権威で継ぎはぎされ、緩やかに繋がる連邦国家としての「帝国」が「神聖ローマ帝国」だったのかもしれない[1] 。

  1. いまでも、「ヨーロッパ」をつなぎとめているのは"ローマ帝国の記憶"だよね。違うかな? (*)
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